室生寺(奈良県宇陀市)

室生寺は、寺のパンフレットによると「役小角(*1)が初めて建てたと伝えています」と記載されます。歴史的には、天平時代の末、興福寺の僧賢璟(けんきょう)の創建と言われています。近世には、「女人高野」と呼ばれ、女性を禁じられていた高野山に代わって女性に解放されていたことで有名でした。
(*1)役小角(えんのおづぬ)飛鳥時代の呪術者。役行者(えんのぎょうじゃ)とも呼ばれる。

画像の説明:室生寺門前太鼓橋より見た室生川

画像の説明:室生寺五重塔

当寺で最も古い建造物は、五重塔です。平安時代初期頃の建立(*2)で、総高16.1m、屋外に建つ五重塔では、国内最小(*3)です。屋根が檜皮葺で勾配が緩く、逓減率(*4)も小さいため、「女人高野」に相応しい女性ぽい姿で人気があります。
(*2)平成10年(1998)の台風により、巨木が五重塔に倒れ掛かり、半壊しました。修理の際に、当初材を年輪年代法で調査したところ、794年頃伐採された木材であることが判明し、平安時代初期の建立が裏付けされました。(*3)屋内に置かれた五重塔としては、国宝海龍王寺小塔は総高4.01m、国宝元興寺小塔は、総高5.5mです。  (*4)逓減率 塔の屋根は、上層に行くほど小さくなるが、その小さくなる割合をいいます。              

室生寺の木像十一面観音菩薩立像は、当寺で最も有名な仏像で、国宝です。像高は、196.2㎝。今は、宝物殿に安置され、拝ませて戴けます。その顔立ちは、丸顔で形の良い唇、更に花飾りの冠は、高貴な女性を思わせます。平安前期の作品です。宝物殿内は、撮影禁止です。               

 

画像の説明:左又は下 室生寺金堂 右又は上 室生寺本堂

金堂は、正面側面とも五間の単層寄棟造り、屋根は杮葺き(*5)、内陣には釈迦如来立像、右に薬師如来立像、左に文殊菩薩立像の三尊が並びます。三尊とも平安時代初期、釈迦如来立像は、国宝です。
本堂は、五間四方の入母屋造り、鎌倉時代、国宝です。真言密教の灌頂(*6)を行う堂で、別名灌頂堂と言います。
(*5)杮葺き(こけらぶき) 杮板(薄くはいた板)で屋根を葺く事
(*6)灌頂(かんじょう)密教において、法を受けるときの儀式

2024年10月02日